トレンドラインとは現在の相場のトレンドがどちらの方向に向かっているのかを、視覚的に確認するためにチャートに直接引かれた線のことを指します。ほとんどの場合上昇トレンドでは右上がり、下降トレンドでは右下がりに線が引かれます。
トレンドラインの役割は価格が進んでいる方向の優位性を把握することとともに、ラインを割り込んだ際にはそのトレンドの勢いがなくなり進行方向が変わったと判断するための目安にも使用できます。
一般的にトレンドの終わりの判断にはダウ理論などが使われますが、トレンドラインはその判断を一足早く察知することができるのです。
トレンドラインは上昇トレンドでは安値と安値を、下降トレンドでは高値と高値を結んでラインを引きます。そのため人によってどの高値、安値を取るのかで違いが出てしまっては困ってしまいます。ここではトレンドラインの引き方の簡単なルールをお伝えします。
今回ご紹介するトレードアイデアはトレンドが反転する場面をいち早く察知して新しいトレンドの根本から狙っていく方法です。それにはトレンドラインのブレイクに加えて水平線を組み合わせて行います。ここからは環境認識からエントリーまでを順を追って解説していきます。
トレンドラインの役割は価格が進んでいる方向の優位性を把握することとともに、ラインを割り込んだ際にはそのトレンドの勢いがなくなり進行方向が変わったと判断するための目安にも使用できます。
トレードの基本はトレンドフォローですので、価格がトレンドラインをブレイクするまではひたすら待つことになります。ブレイクしそうだ、勢いがあるなどの感情で判断しないようにしましょう。
①明らかなトレンドが出ていることを確認
②2点以上で引ける1番緩い角度のトレンドラインを引く
③トレンドラインのブレイクが確認できてから分析を始める
価格がトレンドラインをブレイクしてもすぐにエントリーチャンスが来るわけではありませんので、ブレイクしてから分析を始めても遅くありません。
価格がトレンドラインをブレイクしたら、ブレイクした波の大きさ(抜けた値幅)の確認をしましょう。
①トレンドラインをブレイクする前の波の大きさの確認
②抜けた値幅が直前の値幅に比べて明らかに小さい場合はダマシの可能性がある
③ダマシだった場合、トレンドラインに支えられて再上昇する可能性が高い
④直前の波の大きさに対して1/3以上の大きさを目安に抜けたかどうかの判断基準にする
抜けたと判断する値幅に明確な基準はありませんので、直前の波の大きさを判断基準にしてダマシを極力回避していきます。
トレンドラインを抜けたらトレンドが反転する根拠を重ねていきます。このアイデアはこれまでのトレンドを全否定するトレンドの反転を狙うのでこの作業を怠ると簡単に損切りとなってしまいます。
①トレンドラインを抜ける前に作った最高値の起点となる安値に水平線を引きます
②トレンドラインと水平線が重なる場所はプルバック(押し戻り)の候補地となりやすいのでチェックしておきましょう
③上図の場合、水平線とトレンドラインのどちらでも反発する可能性があります
④オレンジ丸で囲った付近に2つの候補地が重なっているので反転の候補地を絞ることができます
正確な反転場所を判定するのは難しいにしても、ある程度の場所の絞り込みができていればそこで待ち構えることができます。
実際の相場でもプルバックが完了してから本格的に下落することが多く起こります。プルバック完了判断からエントリーまでの流れを上図チャートの番号に沿ってみていきましょう。
①2つの根拠(止まる可能性が高い位置)が重なっている場所で価格が止められている
②一つ下の時間足(今回は1時間足)でも価格推移の勢いが目に見えて落ちていれば(価格が揉んでいる)プルバック完了の可能性が高い
③下位足の直近の安値を割り込んだら、すぐにエントリーしてOKです
④根本を狙う反転を狙ったエントリーなのでSL(逆指値注文)はプルバック候補の高値の少し上に必ず置きます
価格が下落しているときは買いよりも売りの圧力の方が強い(売りの方が多い)からですが、下落中に一時的にプルバックが起こるのは節目を超えた価格に対して利益確定の反対売買が行われることが原因とされています。エントリーしてから一定時間含み損を抱えてしまわないように、プルバックを必ず待ってからエントリーするようにしましょう。
また、反転トレードはリスクを伴う反面値幅が取れれば大きな利益を生みます。そのため勝率は低くなりやすいのでSLの値幅は小さくすることが重要であり、必ずプルバック候補地の少し上に設定することがポイントです。
このような反転トレードは分析を下時間足よりもさらに大きな目線で見たときに一時的な調整下落であることも多くあります。一定の下落が終わった後に再上昇することもありますので、期待できる値幅を取り終えたら一度決済をしておくことをお勧めします。どこまで伸ばせばいいのかについては、直前の波の大きさをそのまま利用します。
①ブレイクした波をひとつの大きな波と捉えます
②価格の波は直前と同じ大きさの分だけ伸びることが多いという相場の現象を利用します
③プルバックした位置からブレイクした波の大きさの位置までを計測し利益確定をします
④直前の波の値幅到達後に価格はしばらく揉んでいることが確認できます
値幅到達後は素直に下落せずに価格はしばらくもみ合っている時間が長く続きました。水色丸の位置で利益確定できなかった場合はやきもきする時間となります。このように同じ値幅分だけ価格が伸びる現象を値幅観測論で「N値」または「N波動」と呼びます。アルファベットのNの形に似ているのでそう呼ばれますが、価格到達位置を考えるときの基本の考え方なので覚えておきましょう。