成行注文は、例えばチャートを見ていて今すぐに取引をしたい場合に「その時点の価格」で発注する注文方法を指します。通常、成行注文は発注した時点ですぐに約定するため、今すぐにポジションを持ちたい場合に利用します。
その時点の価格とは発注時点で取引画面に表示されている為替レートのことを指し、買いの取引ならば「買い値(Ask)」、売りの取引ならば「売り値(Bid)」で発注します。この買い価格と売り価格の差のことを「スプレッド」と呼び、これが取引コストになります。
また発注からFX会社に注文が届くまでのわずか数秒の間に提示レートが変動した場合、提示価格と約定価格がずれることがあります。これを「スリッページ」と呼びます。
スプレッドとスリッページについては別記事で詳しく解説しておりますのでそちらをご参照ください。
ここではFOREX.comのWebtraderの実際の画面を使って成行注文の発注方法を解説します。成行注文のことを「マーケット注文」と呼ぶこともあります。
出所:FOREX.com/USDJPY/1時間足/2月5日取得
①チャート画面上部のタブから「買いマーケット」ボタンをクリックします
②注文パネルが展開されますので「トレード」タブをクリックします
③注文する数量を指定します
④「注文確定」をクリックすれば表示されている価格で成行注文が発注されます
出所:FOREX.com/USDJPY/1時間足/2月5日取得
①チャート画面上部のタブから「売りマーケット」ボタンをクリックします
②注文パネルが展開されますので「トレード」タブをクリックします
③注文する数量を指定します
④「注文確定」をクリックすれば表示されている価格で成行注文が発注されます
出所:FOREX.com/USDJPY/1時間足/2月5日取得
①チャート画面上部右側にあるワンクリック注文のスイッチをクリックし「ON」にする
②画面が暗転し警告パネルが表示されますので「OK」をクリックして閉じる
③スイッチがONに切替りワンクリック注文が可能な状態になります
④マーケット注文ボタンの右側に取引数量が表示されるので取引数量を指定する
⑤これでマーケット注文ボタンをクリックした段階で成行注文が発注される状態になりました
成行注文はリアルタイムで取引ができる便利な注文方法です。一方デメリットも存在するため、そのメリット・デメリットも確認しておきましょう。
FXの注文方法には、成行注文以外にいくつか種類があります。その違いを確認していきましょう。
注文の違いによる特徴を比較
注文方法の名称 | 優先するもの | 注文の特徴 |
成行注文 | ポジションの保有 | 現在価格で発注します。 |
指値注文 | 約定レート | 現在より有利な価格で発注します。 |
逆指値注文 | 約定レート | 現在より不利な価格で発注します。 |
IFD注文 (アイエフディー注文) | 約定レート | 指値注文・逆指値注文を 組み合わせて、新規注文と決済注文を発注します。 |
OCO注文 (オーシーオー注文) | 約定レート | 決済のための指値注文・逆指値注文を同時に発注できます。2つの注文のうち、片方が約定するともう片方がキャンセルされます。 |
IFO注文 (エイエフオー注文) | 約定レート | IFD注文とOCO注文を組み合わせて発注します。 |