CFDは売買した株式や商品など金融資産の価格差だけをやり取りします。つまり利益がでたら利益分だけを受け取り、損失が出たら損失分だけを支払います。これを「証拠金取引」と呼び、証拠金を預け入れることでそれを担保に取引をし、購入したい株式や商品(金など)の購入金額を全額用意することなく売買が行える仕組みです。
ポイントは購入した金融資産の受け渡しがなく実際に保有することがないことで、少ない資金で大きな資産を運用することができるのです。
現物取引は現物株や商品(金など)を現金で購入した後に実際にそれを保有し、その後値上がりしたら売却するなどして差益を受け取る仕組みです。そのため購入する金融資産の価格全額が必要になります。
一方CFD取引では実際に現物の受け渡しは行わず、差金(売買差額)だけを決済します。実際に株式や商品を保有することなく価格のみをやり取りしているイメージを持つといいでしょう。
CFDでは株式や株価指数、債券、商品などを売買する差金決済ですが、その対象が為替になるとFXとなります。例えばFXではドル円を購入した場合ドルを買って円を売っている状態ですが、手元にドルが手に入るわけではありませんし希望してもドルが手元に来ることもありません。差金決済をすることが目的ですので現物が必要ないからです。CFDとFXは投資対象が違うだけの親戚のようなものです。
CFDは他の金融商品と比べてどんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
現物の株式や株価指数を取引する場合、基本的に買うときも売るときも往復で手数料が発生します。しかしCFD取引では外付けの手数料は無料です。コストを抑えて取引できることが魅力のひとつです。
CFDは証拠金取引のためレバレッジをかけて取引ができます。レバレッジをかけることで資産の何倍もの金額を取引できるため資金効率が高くなります。CFDでは株式は5倍、株価指数は10倍、商品は20倍までレバレッジをかけることができます。
CFDはほぼ24時間取引をすることができます。たとえ株式CFDであっても日本の株式市場が閉まった後も取引可能で、日中に仕事をしている方でも夜間に取引することができることは魅力のひとつです。現物をやり取りするわけではないからこその取引時間の長さです。
CFDは現物のやり取りを行わないため売りからポジションを持つことができます。保有していなくても売りから取引ができることで、上昇相場だけでなく下落相場でも利益を狙えるチャンスとなります。
CFDも金融商品ですのでデメリットがあります。しっかり理解してご自身の投資対象となるのか検討する材料にしましょう。
CFD取引はレバレッジをかけることができます。少ない資金で大きな金額を動かせる反面、被る損失も大きくなってしまうことも考えられます。資金に対しての適正なレバレッジ、早めの損切り、しっかりとした分析など自己資金を守る方法はたくさんありますので、デメリットをデメリットとしない工夫が必要です。
CFDで得た利益や被った損失は株式取引(現物)の損益と通算することはできません。例えば株式投資で大きな利益を上げたがCFD取引で同額程度の損失があった場合、損益通算できれば税金はかかりませんが、損益通算はできないため株式の利益に対して通常通りの課税が行われます。投資する割合などしっかり管理するようにしましょう。
CFDは現物の株式に比べて得られる情報量が大幅に少なくなります。株式では決算書や四季報、各企業の細かい情報や今後の事業計画など様々な情報が開示されています。これらを基に今後の株価の行く末が予測しやすいメリットがあります。
一方CFDでは日本やアメリカなどの代表的なCFDではある程度の情報が手に入りますが、それ以外の銘柄に対しての細かい情報はまだまだ少ない状況です。
CFD取引を行う上で知っておきたいことをまとめました。あとから知らなかったとならないように確認しておきましょう。
CFDは基となる原資産、つまり現物の金融商品が必ずあります。原資産の価格が変わることにより参照しているCFDの価格も変動しますがその時に価格を調整しなくてはいけません。ここでは3つの調整額について解説します。
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