差金決済とは現物の受け渡しを行わずに反対売買によって発生した差額のみをやり取りする取引方法を指します。わかりやすく言えば、利益がでた場合は利益分だけを受け取り、損失が出た場合は損失分だけを支払うという形です。
例えばFX取引をする際にUSDJPYを買いで取引した場合、ドルを買って円を売っているはずですが手元に購入したドルが届くことは無く、決済後にその差額だけが口座残高から増えたり減ったりしています。この現物のやり取りを行わない決済方法が差金決済です。
差金決済を行うには証拠金と呼ばれる資金を取引を行う証券会社の口座内に預ける必要があります。FXやCFDの取引では預け入れた資金の何倍もの取引額を預け入れた証拠金を担保にして行うことができ、これをレバレッジと呼びます。少ない資金で大きな金額を運用できる仕組みですが、ポイントは差金決済で取引を行うため何倍にもなった取引総額の全額を用意する必要が無く、損失時の差額分のお金を担保として預け入れることで取引できる点です。そのため資金と呼ばずに、担保となる証拠のお金=証拠金と呼びます。
同じ差金決済で取引をするFXとCFDですが、なぜ呼び名が違うのでしょうか。それには取り扱っている商品に違いがあるからです。その違いについて解説していきます。
FXとCFDの大きな違いは取り扱っている金融商品です。FXでは外国為替を取り扱います。外国為替とは各国の通貨同士を両替することを指しますが各国の通貨の価値は日々変動しており、FXは2つの国の通貨を売買しその変動した差益を狙う取引方法です。例えば1ドル100円の時に100ドル分を1万円で購入し、1ドル110円の時に100ドル分を売却すれば11,000円になって返ってくるといったイメージです。(説明のため手数料などは加味していません)
一方でCFDはコモディティや株価指数、先物やETFなど外国為替以外の商品を取り扱っています。コモディティは商品のことを指し、石油や天然ガス、金や銀などを含みます。株価指数は積立投資で人気のあるS&P500や日経225など各国の株価を平均した指数を取引します。
要するに投資先が通貨ならばFX、投資先が商品や株価指数などならCFDというわけです。
現在FX界隈で人気のGOLDは金という商品の価値をやり取りしているので実はCFD取引にあたります。とはいえ実際の金と現金のやり取りはありませんので、FXと同様に差金決済で簡単に取引ができます。CFD取引って商品の価値とかよくわからないし難しそうだなと感じた方は、GOLD取引と同じ感覚だと思えば理解しやすいのではないでしょうか。
FXとCFDの違いは取り扱う商品以外にも取引時間や扱える売買方法、レバレッジなど異なる部分があります。勘違いしないためにもしっかりと理解しておきましょう。
FXは平日であれば24時間取引を行うことができ、日本時間の月曜日朝7時から土曜日朝7時まで途切れることなく取引ができます(冬時間)。一方でCFDは朝方の一部の時間で取引が停止となるので平日の朝8時から翌日の朝7時までの23時間が取引時間となります。
FXとCFDで発注できる注文方法にほとんど違いはありません。売りから注文ができるのはもちろん、成行注文、指値注文、逆指値注文、IFD注文、IFO注文などFXと同じ要領で注文を行えます。
FXのレバレッジは25倍ですが、CFDでは取り扱う商品によってレバレッジが変わります。FOREX.comで扱っているCFDは株価指数のみとなるため、CFDのレバレッジは一律10倍となります。
FXとCFDには似ている部分が多いですが共通するメリットの他にそれぞれのデメリットがあります。メリットだけでなく悪い部分も深掘りしてみましょう。
FXとCFD双方にあるメリットは次の4つです。
1. レバレッジによる資金の効率化
2. 売りからも取り引きができるため利益を狙えるチャンスが多い
3. ほぼ24時間取引ができる(CFDは23時間)
4. 外付けの取引手数料が無料
少ない資金で始められ取引チャンスが多いことがどちらにも共通するメリットとして挙げられます。株式投資とは違った差金決済のいいところと言い換えてもいいですね。
FXには次のようなデメリットやリスクが存在します。
1. レバレッジをかけて取引するため、預け入れた金額を超える損失が発生する恐れがある
2. 経済指標や金融政策などにより急変動が起こる場合がある
3. 2か国間の為替を扱うため、先読みが難しい
通貨を扱うため各国の経済情勢に大きく左右されることもあり、急変動のリスクに常にさらされているとも言えます。
CFDには次のようなデメリットやリスクが存在します。
1. FXに比べ変動幅が大きく損失額が膨らみやすい
2. 3種類の調整額など管理コストが高い
3. 海外の株価指数など情報が手に入りにくい場合がある
FXと同様にスプレッドが発生しますが、それに加えた調整額の負担が大きく利益を圧迫することもありますので注意が必要です。
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