TradingViewチャートには100種類を越えるテクニカル分析用のツールが搭載されています。どれもトレードを有利に進めるために有効なものばかりですが、使い方を覚えなければ意味はありません。ここでは代表的な分析ツールであるインジケーターとオブジェクトの使い方を解説していきます。
インジケーターは相場のトレンドを把握したり価格推移の勢いを知ることのできるテクニカル指標です。ここでは代表的なインジケーターであるMA(移動平均線)を使ってチャートへの挿入方法を上図に沿いながら進めていきます。
①チャート画面上部のアイコンタブから「インジケーター」をクリックする
②インジケーターの一覧パネルが展開されるのでリストの中から「MA(移動平均線)」を探す(上部検索窓に文字を打ち込んで検索することも可能)
③MA(移動平均線)が見つかったらクリックする
④チャートに移動平均線が描画されたことを確認する
⑤インジケーターが適用されても自動でパネルは閉じませんので右上の「✖」をクリックしてパネルを閉じます(パネル以外の場所をクリックしてもパネルを閉じることができます)
これでインジケーターの挿入が完了しました。
パネルに表示されているインジケーターの表示順にはルールがあり、図の①のように英語で表記した際のアルファベット順に整列しています。
またTradingViewチャート以外のチャート分析ソフトをこれまで利用していた方が間違えやすいのは「構造がほとんど同じインジケーターでも計算式が違うものは別のインジケーターとして表示されている」ことです。
例えばMT4などではMA(移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)は同じMAとして分類されパラメーターの中でMAなのかEMAなのかを選択することになります。
しかしTradingViewチャートでは図の②のようにMAとEMAは別のインジケーターとして分類され、別々に表示されますので注意が必要です。
その他にも一般的な表記とは若干異なった表記でリストされているインジケーターもあります。図の③は一目均衡表のインジケーターです。
一般的な英語表記は「ichimoku」とされていますがTradingViewチャートでは「ichimoku cloud」と表記されます。迷ったときは日本語表記部分を読むようにしてみましょう。
TradingViewチャートのチャート画面に描画したインジケーターのパラメーターを変更する方法です。上図に沿って進めていきます。
①挿入したインジケーター名がチャート右上に表示されていることを確認する
②インジケーター名にカーソルを合わせるとメニューバーが現れるので、歯車アイコンをクリックしてプロパティパネルを展開する
③開いたパネル内のパラメータータブでは、計算する期間の設定、対象とする価格、オフセットの本数などインジケーター毎の計算に関する値を変更できる
④スタイルタブではインジケーターの線の色や太さ、種類などを変更できる
インジケーターによって変更できるパラメーターやスタイルの数は変わります。
TradingViewチャートのチャート画面に描画したインジケーターを削除するには、パラメーターの変更と同じくインジケーター名の上にカーソルを合わせメニューバーを表示し、✖のアイコンをクリックします。
確認のポップアップ無く削除されますので押し間違いには注意しましょう。
オブジェクトは価格の規則性や到達ポイントなどをわかりやすくするためにチャート上に描画する線や図形、目盛りなどを指します。ここでは押し目を予測することができると人気のあるフィボナッチ・リトレースメントを使ってオブジェクトのチャートへの描画方法を上図に沿いながら進めていきます。
①チャート画面左端に縦に並んでいるアイコンの中で赤枠の中がオブジェクトのアイコン
②オブジェクトは数が多く大まかにグループ分けされているので、描画したいオブジェクトの入ったアイコンの右側にある矢印をクリックして一覧を展開する
③一覧から描画したいオブジェクトを探す
④今回はフィボナッチ・リトレースメントを描画するのでクリックする
⑤マウスポインターが起点を指定する形に変化するのでフィボナッチ・リトレースメントを引く起点を指定し、その後終点も指定する。
以上でチャート上にフィボナッチ・リトレースメントが描画されました。
描画したオブジェクトの色や線の太さ、配置順序などパラメーターの変更方法を上図に沿って進めていきます。オブジェクトのパラメーター変更は描画後にチャート上に配置されるオブジェクトパネルから行います。
①パネル一番左のペンアイコンは該当するオブジェクトの色をすべて統一するもので、複数の色を使っている場合でも1色に統一して再描画します
②左から2番目の横線のアイコンは該当オブジェクトの線の太さを変更します
③左から3番目の歯車のアイコンは個別の線の色や太さ、角度や価格などを表示するかなど細かい設定をすることができ、オブジェクトの種類によって内容が変わります
④中央付近にある黒い四角形が重なった形のアイコンはオブジェクトの前後の配置順序を変更できます
⑤右から4番目の白い四角形が重なった形のアイコンはオブジェクトの複製やコピーが行えます
⑥右から3番目の南京錠型のアイコンはオブジェクトの固定を行うロックボタンです。間違えてクリックしてしまってもロックされていれば動くことはありません
描画したオブジェクトによってオブジェクトパネル内のアイコン配置数が変動しますが、大まかな使い方は上記を変わりませんので参考にしてください。
オブジェクトの削除はパラメーターの変更で使ったオブジェクトパネル内一番右のゴミ箱アイコンをクリックすることで行えます。
確認のポップアップ無く削除されますので押し間違いには注意しましょう。
またチャート画面上にオブジェクトパネルが表示されていない場合はオブジェクトの選択が非アクティブになっていますので直接オブジェクトをクリックしてアクティブにすることでパネルが表示されます。
TradingViewチャートのチャート表示は直感的に操作ができるように工夫されています。直接的な操作方法に加えて、トレードのしやすさや画面の切り替えなどご自身が使いやすいようにカスタマイズできる方法を解説していきます。
TradingViewチャートの画面操作は直感的に動かすことができます。また複数の画面を同時に表示したりタブでまとめてワンクリックで表示するなどカスタマイズが容易にできることも特徴です。ここでは基本的な画面操作と簡単な画面のカスタマイズを紹介します。
TradingViewチャートの画面を拡大縮小する方法は3種類あります。それぞれ視覚的、直感的に行えますのでお好みの方法で調整を行ってください。
①画面中央下部にある+アイコンと-アイコンをそれぞれクリックすることで画面の拡大縮小が行えます
②画面下部の時間表示をマウスでクリック&ホールドして左右に動かすことでも画面の拡大縮小が行え、ホールドしたまま左に動かすと縮小、右に動かすと拡大となるのでちょうどいいサイズでドロップしてください
③ホイールボタンが付いているマウスを利用している場合、チャート画面上でホイールボタンを上下に回転させることでも画面の拡大と縮小が行え、上に回転させると拡大、下に回転させると縮小できます
直感的に画面を操作できることがTradingViewチャートの魅力でもあります。
縦比とは価格の表示範囲のことを指します。例えば縦比を小さくした場合チャート上に表示される価格の範囲が広がり、値動き全体を俯瞰してみることができますがローソク足は押しつぶされたように表示され細かいローソク足が描く細かい動きを読み取れなくなります。
一方で縦比を大きくした場合チャート上に表示される価格の範囲も狭まり、わずかな動きでも値動きが激しく見えてしまいますがローソク足が描く細かい動きははっきり確認することができます。
縦比の変更は価格部分をマウスでクリック&ホールドして上下にドラッグします。上に動かすと縦比は狭まり、下に動かすと縦比は広くなります。どれくらいの大きさが自分に合っているのか試してみてください。
自動スケールとはチャートを拡大した際に値動きの範囲が変動することに合わせて縦比の自動調整を行うかを設定するものです。ONにしている場合はチャートを拡大縮小した際に値動きの価格範囲が広がるにつれ縦比も変動しちょうど見やすい範囲に調整してくれます。
一方OFFにした場合は拡大縮小を始めたタイミングの縦比が固定されたままチャート画面を拡大縮小するので値動きの大きさによってはチャート画面上からローソク足が消えてしまうこともあります(拡大縮小が値幅に追いついていない)。
自動スケールのON/OFFは上図④の位置、チャート画面右下の「自動」表示をクリックすることで変更できます。
TradingViewチャートでは画面上に複数のチャートを同時に表示することができます。複数表示を行うにはチャート画面の全画面表示をOFFにする必要がありますので、チャート画面右上の「全画面終了アイコン」をクリックして上図のような画面に一度戻しておきましょう。
新しいチャートを別ウインドウで表示するにはウォッチリストから直接選択する方法が便利です。上図に沿いながら進めていきましょう。
①基本ワークスペース内のウォッチリストから希望する銘柄を検索する
②希望する銘柄の文字先頭についているアイコンをクリックすると新しいウインドウでチャート画面が表示される
③このままだと重なったままになってしまうので、各チャート画面の右下をクリック&ホールドして大きさを調整する
2枚のチャートを横並びで表示することができました。
上記では2枚を並べて表示しましたが、大きなチャート画面を維持したい場合はタブ化することによりワンクリックで画面表示を切り替えられるようにできます。上図に沿って進めていきましょう。
①希望する銘柄をウォッチリストから選択して別ウインドウで表示しタブ部分をクリック&ホールドする
②そのまま既存銘柄のタブへ重ねてドラッグ&ドロップする
③タブ化されたのでウォッチリストから呼び出すことなくタブのワンクリックで画面を切り替えることができ
タブ化した銘柄は全画面表示をしてもそのまま適用されます。
TradingViewチャートでは2枚だけでなくさらに複数枚のチャートを表示することもできます。上図ではクロス円3通貨、ドルストレート3通貨に加えて注文一覧やポジション一覧なども含めた画面構成にカスタマイズしています。
ウインドウを追加したい場合はタブ右側の3つの丸が付いたアイコンをクリックすることで挿入できるウインドウのプルダウンリストが展開できます。そこから希望するウインドウを選択してください。
また基本ワークスペースは基本的な分析を行いたい場合は、新規でワークスペースを作成してからカスタマイズすることも可能ですのでお好みの画面構成に変更してお使いください。
チャート画面右上の歯車アイコンをクリックするとチャート設定を変更するパネルを呼び出せます。この設定パネルからはローソク足の配色を自分好みにカスタマイズすることができます。
上図ではローソク足の色を黄色に変更してみましたが、ご自身が見やすい色に変更するなどお好みの設定に変更してください。その他にもチャート画面に関する様々な設定を変更することができますが、デフォルトで使いやすいように設定されていますので使いづらい場合のみ変更するといいでしょう。
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