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過去の米国の金融政策から米国株価の推移を学ぶ

米国の金融政策から米国株価の推移を振り返ります。政策金利が上がると株価はどう動く?過去の株式市場の事例から株価の変動についてわかりやすく解説します。

著者 forex.com
2024年1月21日 午前11:30

目次

1998年以降の米国の株価と短期金利の推移を見てみましょう。下図にある通り、FRBが金融引き締めを開始するとその後、株式市場は調整しました。株価が下落し始めると、FRBは上げすぎていた政策金利を低下させ始めますが、しばらくの間、株価の下落は止まりませんでした。
1998年以降の米国の株価と短期金利の推移を見てみましょう。下図にある通り、FRBが金融引き締めを開始するとその後、株式市場は調整しました。株価が下落し始めると、FRBは上げすぎていた政策金利を低下させ始めますが、しばらくの間、株価の下落は止まりませんでした。
過去2回(リーマンショックとCOVID-19パンデミック)の際には、政策金利を0“ゼロ”%まで引き下げ、さらに量的緩和も行い、市場のセンチメント悪化を止めることに成功しています。金融緩和を維持することで、株価指数や資産価格は上昇してきました。パンデミック以降の金融緩和で、株式市場や不動産市場などの資産価格は急上昇しました。景気が良くなりそうだということで、商品・コモディティー市場も活況になりインフレが世界中に広がりました。
米国株総合指数(Wilshire5000指数)
出所:FRB St.Louis FREDデータ 取得時:23年11月15日17:00PM

つまり、FRBが金融引き締めを行っている現在は、資産価格にとって非常に強い逆風が吹いているということがいえます。

経験則で言えば、新しい金融商品が生まれ際には、当初爆発的にその市場は拡大しますが、金融引き締めとともにその金融商品の問題点が出てきて、その市場や商品自体の作りこみが一旦整理されるということを繰り返してきています。

リーマンショック時には、クレジット・デリバティブ(CDS)を使ったCDO、CDOスクエアーなどがありました。サブプライムローンのリパッケージなどもそうです。現在は、CDOはCLOに姿を変え、また、ブロックチェーンを使った仮想通貨というこれまでにない金融商品・仕組みも出てきています。金融引き締め期の新しい金融商品には、注意を払っておいたほうがいいでしょう。
米国株総合指数(Wilshire5000指数)
出所:FRB St.Louis FREDデータ 取得時:23年11月15日17:00PM

つまり、FRBが金融引き締めを行っている現在は、資産価格にとって非常に強い逆風が吹いているということがいえます。
株価を見るときには、様々なテクニカル分析がありますが、多くの機関投資家が注目している分析手法がボリンジャーバンドです。米系証券のアナリストと話すとよく引き合いに出されます。多くの機関投資家は長期投資家です。年金基金や生命保険会社の資金運用者だけでなく、ヘッジファンドやミューチュアル・ファンドの運用担当者もよく使っているようです。株式相場の転換点と、ボリンジャーバンドの上限下限はよく一致します。
過去のS&P500株価指数について振り返ってみましょう。
S&P500株価指数先物(GSPC) 2021年11月15日~2023年11月14日
取得日:23年11月15日16:15PM 出所:Yahoo.com/Finance
2022年、FRBが利上げを開始した後、株価は下落し、ボリンジャーバンドの3シグマ(σ)の下限にタッチしています。その後、株価は下げ止ま;2019年11月1日~2022年3月23日り、上昇に転じました。
取得日:23年11月15日16:17PM 出所:Yahoo.com/Finance
COVID-19パンデミックの際に、株価は下落しましたが、FRBと財務省の景気刺激策によって株価は、ボリンジャーバンドの3シグマ(σ)で底打ちしました。2016年8月23日~2020年7月6日
取得日:23年11月15日16:18PM 出所:Yahoo.com/Finance
2018年第4四半期(レポショック)にも株式市場は調整をしましたが、しっかりと3シグマ(σ)で底打ちしています。 2014年7月30日~2018年6月6日
取得日:23年11月15日16:19PM 出所:Yahoo.com/Finance
バーナンキーショックの際にも、株価は3シグマ(σ)で底打ちしています。 2011年1月27日~2012年12月14日
取得日:23年11月15日16:20PM 出所:Yahoo.com/Finance
欧州債務危機が発生した時も株式市場に動揺が走りましたが、この時も3シグマ(σ)で底打ちしています。 2008年12月5日~2010年10月28日
取得日:23年11月15日16:21PM 出所:Yahoo.com/Finance
2007年5月7日~2009年4月2日
取得日:23年11月15日16:23PM 出所:Yahoo.com/Finance

リーマンショックの際にも、株価は3シグマで下げ止まっています。

リーマンショック以降のS&P500指数でみると、常にボリンジャーバンド(200日)の3シグマ(σ)内に収まって推移しています。リーマンショックの時やバーナンキーショック、COVID-19パンデミックなどのリスクイベントが発生した際にも、ボリンジャーバンドの下限3シグマ(σ)のところで、止まっています。

これは、想定を超えたリスク許容度に達したということです。株式市場が過度に反応した際には、FRBは、時に米財務省と力を合わせて、金融緩和に舵を切り、株式市場の動揺、下落を止めに来ます。FFレートの引き下げという金融政策で足りない時には、市中の国債を買い入れるという量的緩和も行ってきました。
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